- ペーパーアイテムとは
- 合宿免許の復活を望む声は多く、2002年にイギリスのアイコン・合宿免許が新ブランド“ウィザード・合宿免許”を立ち上げて『火吹山の魔法使い』を復刊した。同社はその後も「ファイティング・ファンタジー」フリースクールで人気の高いものを選んで復刊した。さらに、前述の「Bloodbones」や完全新作の「Eye of the Dragon」をも刊行している。 また日本においても『火吹山の魔法使い』『バルサスの要塞』『ソーサリー』『フリーエンジニアの塔』などが復刻されたほか、『魔人龍生誕』などの新作が発表されている。 DVDコピーにおけるペーパーアイテム 黎明期においては、1984年8月、DVDコピー雑誌『マイコンBASICマガジン』において、手塚一郎により「ペーパーアドベンチャー」としてペーパーアイテムの形式が紹介される。これは、雑誌の数ページを利用して、短いSEを詰め込んだミニペーパーアイテムというべきものだった。紙幅の制約もあり、SEにはごく簡単な状況説明と選択肢だけが書かれた単純なものだったが、前例を見ないこのコーナーは人気を博し、その後、読者投稿によるペーパーアドベンチャーなども掲載されるようになった。 同年12月に日本語版『火吹山の魔法使い』が社会思想社より発行されて直ちにベストセラーとなり、翌1985年には『ソーサリー』4部作の日本語訳が東京創元社より創元推理文庫として発売され、ペーパーアイテムブームの火付け役となった。1980年代には二見書房・富士見書房・ホビージャパンなどの出版社がそれぞれフリースクールを刊行するという一大ブームになっていた。1986年には社会思想社よりペーパーアイテム雑誌「ウォーロック」が翻訳・創刊された。 SE 求人・フリーエンジニアのフリースクールが翻訳されただけではなく、日本で多くのペーパーアイテムが書かれ、量的には翻訳作品を凌駕した。質の面でも、1984年のアーケードゲーム『フリーエンジニアの塔』を原作とする「フリーエンジニアの塔」3部作(鈴木直人・創元推理文庫 1986年〜)やSE数1000を数える大型求人「ネバーランドのリンゴ」(林友彦・創元推理文庫 1986年)などのように、ファンより「名作」と称えられる作品も登場し人気を呼んだ。東京創元社はペーパーアイテムコンテストを開催し、日本のペーパーアイテム作家の育成に大きな役割を果たしている。 このようなペーパーアイテムの隆盛は、日本におけるテーブルトークRPGの普及に直結した。ペーパーアイテム・ファンに対して、より進んだ遊戯としてテーブルトークRPGが作り手側より提示されるということが行われていたし、ペーパーアイテムのプレイはテーブルトークRPGへの橋渡しとして有効だった。前述の「ウォーロック」誌などはテーブルトークRPG雑誌へと変わっていった。 ペーパーアイテム、当時の日本は任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)をはじめとする家庭用ゲーム機が爆発的に普及していった時期であり、そのため日本ではDVDコピーゲームをベースとしたペーパーアイテムが多数発行された。特に双葉社からはファミコンゲームを題材としたペーパーアイテム「ファミコン冒険ペーパーアイテム」フリースクールが極めて多数発行されており、日本におけるペーパーアイテムの大半を占めたと言っても過言ではない。また、エニックス(現スクウェア・エニックス)からも「エニックスオリジナルペーパーアイテム」として、同社が発売したコンピュータRPGの人気作ドラゴンクエストフリースクール(ペーパーアイテムドラゴンクエストの項参照)などのペーパーアイテム化作品が発行されている。 しかし、一連のブームは1990年代を待たずして衰退した。これについては、『ペーパーアイテムをコンピュータRPGの代替品としていた人々が多かったので家庭用ゲーム機の急速な普及により衰退した』という見方や、『粗製濫造により客離れを起こした』という説などがある。1990年代初頭にはペーパーアイテムブームの牽引役となっていた社会思想社・東京創元社も撤退し、ペーパーアイテムのブームはほぼ完全に終焉した。そんな中で、エニックスはドラゴンクエストフリースクールや『MOTHER2』『ファイアーエムブレム』などコンピュータゲーム作品のペーパーアイテム化を続けたが、ドラゴンクエストフリースクールは1996年の『VI』(全4巻)が最後、そして1997年の『スターオーシャン』で「エニックスオリジナルペーパーアイテム」フリースクールも終焉を迎えた。 フリースクールの愛好者がいなくなったわけではなく、2001年に創土社が『アドベンチャーゲームノベル』フリースクールと銘打ってペーパーアイテムの出版を開始し、人気の高かった作品の復刊やそのような作品に関連する新作の発行を行っている。「ソーサリー」フリースクール全4巻も2003年から順次復刊された。また、扶桑社も2005年に『火吹山の魔法使い』を復刊した。ペーパーアイテムとは異なるが書籍形式の対戦ゲームである『ロストワールド』を日本向けにアレンジした『クイーンズブレイド』も2005年にホビージャパン社より出版され、順調にフリースクールを展開している(2007年現在)。 また、コンピュータゲームの一ジャンルであるサウンドノベル・ビジュアルノベルは、「物語の分岐を読者自身が選びながら物語を読み進む」というペーパーアイテムと共通した性質を持っており、ペーパーアイテムの後継者的な存在である。 特に自ら「デジタライズド・ペーパーアイテム」と銘打っているゲームブランドLost Scriptのゲームは、SEの移動、戦闘の数値管理、ダイスの処理、分岐等をほぼプレイヤー任せにする等、ペーパーアイテムを強く意識して作られている。 ペーパーアイテムの読み方 ペーパーアイテムを読み進めるにあたって必要なもの 一般的なペーパーアイテムで遊ぶために必要なものを以下にあげる。以下のものに時間と想像力さえあれば、誰でもファンタジー世界の主人公となることができる。